タイ人の相続手続きについて

日本では、タイ人と国際結婚している日本人も多くいらっしゃいます。このようなカップルの組み合わせとしては、日本人夫とタイ人妻が多いです。

タイ人と日本人夫婦の場合 、相続は亡くなった人の国籍の法律で考えることになります。

例えば、日本人の夫が亡くなって相続が発生した場合、日本法に基づいて判断します。

一方、タイ人の妻が亡くなって相続が発生した場合、まずはタイ法に基づいて判断します。

タイ法では、相続される動産 (金銭を含む不動産以外の全ての財産 例:銀行預金や株式、投資信託等)は死亡時の住所地の法律が適用されます。

そのため、タイ人の妻がタイで死亡した場合はタイ法、日本で死亡した場合は日本法が適用されます。

また、相続される不動産が日本にある場合 、タイ国法の定めにより、日本国法が適用されることになります。

ただし、タイにある不動産については、相続財産に含まれるとしても、日本人が所有権登記できない場合があるので、注意が必要です。

タイ人の遺言手続きについて

日本人が日本の公証役場等で遺言を作成する場合、日本法に基づき遺言が作成されます。

一方、タイ人が遺言を作成する場合、タイ国法に基づき遺言が作成されます。

ただし、タイ国法によると、遺言書の作成場所が日本である場合 、日本国の方式により遺言を作成ます。
もっとも、遺言書の効力および解釈は死亡当時の住所地の法律による、となっております。
そのため、タイ人が遺言を残して死亡した場合、遺言書の効力および解釈は死亡時の住所が日本の場合は日本法、死亡時の住所がタイの場合はタイ法が適用されます。

まとめ

日本人とタイ人の夫婦の場合、日本とタイの双方に財産があるケースも多くあります。

また、財産の種類も、日本の銀行預金のみでなく、タイのコンドミニアムやタイの株式、投資信託の他、世界各国に投資しているようなケースも多々あります。

そのため、日本人同士の夫婦の場合より、遺言、相続手続きは複雑化しやすく、難しいという印象を受ける方が多いようです。

当事務所では、国際相続、遺言を専門とする事務所であり、タイ人のカップルの遺言、相続手続きをサポートしておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。