海外投資のトラブル

海外投資は、もちろんよい点もあります。

海外のファンドの中には、日本ではありえないようなパフォーマンスを出すようなお化けファンドも確かにあるようです。

しかし、そのリスクは国内投資の何倍も高いのが現実で、海外投資にトラブルはつきものであると考えたほうがいいでしょう。

ただし、一口に海外投資のトラブルといっても、様々です。

そこで以下、海外投資のトラブルについて類型化します。

アメリカや香港などの海外の証券会社や銀行に口座を開き、投資する際のトラブル

海外の証券会社や海外の銀行を利用する際には、極めて多くの、ありとあらゆるトラブルに見舞われるリスクが存在します。列挙していくと・・・

・口座開設の失敗(書類の記入ミスや本人確認書類の不備などが原因)
・海外への送金する際の送金事故(送金が届かない)
・海外証券会社のシステムエラー(取引ができない)
・投資家のミスによる口座凍結(ログインの複数回の失敗や長期間口座を放置が原因)
・第三者による口座への不正アクセス(銀行からお金を引き出されて海外に送金される)
・万が一、証券会社が倒産した際の対処(長期間放置しておくと、政府に移管される)

証券会社の口座開設や、その後の取引に際して、上記のような様々なトラブルが発生する可能性があります。

確かに、一定の割合でトラブルが起こるのは仕方のないことです。

しかし、本当に問題なのは、これらトラブルの解決に際し、全て英語で証券会社とやり取りをする必要があるこです。

しかも証券会社や銀行との交渉は、メールの文面だけでなく、オペレーターから電話が掛かってきて口頭で説明するケースも往々にしてあるのです。

例えば、日本の海外投資家に人気のアメリカの証券会社の場合、ネット口座にログインする際に、パスワード入力ミスなどで何度か連続で失敗すると、その口座が一時凍結されるシステムになっています。そして、凍結を解除をするには、アメリカの証券会社に直接電話して、担当者に英語で問い合わせを行う必要があるのです。

つまり、英語のできない投資家は、自分でしどろもどろになりながら拙い英語で何とか意思疎通するか、誰かに通訳を頼むかしないと、今後の取引ができなくなってしまうのです。

確かに、海外の銀行口座開設や証券口座開設だけなら、例えば現地への口座開設ツアーなどもありますので、その時は英語の分かる担当者が手伝ってくれます。

しかし、上記のように少しトラブルに見舞われると、その後の対策は基本的に自分一人ですので、自力で解決するしかありません。ヒアリングを含め、ある程度の英語力が無ければ、今後の投資活動が完全ストップさせられてしまうのです。

もうひとつ、海外投資家が口座を持つ外国の証券会社が倒産した場合も、対処が非常に面倒です。

アメリカの場合は日本と同じで、有価証券は信託分離保全されているので、証券会社が倒産しても、投資家の保有する資産(株式や債券・余剰資金など)が、破綻債券の弁済に使われたりはしません。

つまり、投資した資産自体は保全されるわけです。

しかし、破綻会社から他の証券会社へ株式を移管するなり、売却~送金する等が必要なので、その対策・やり取りも英語で行わねばなりません。

ですから、海外投資に興味があっても、よほど英語力に自信のある人や英語の通訳や翻訳を雇えるぐらいの大口投資家でもない限りは、海外の証券口座を使うことはお勧めしません。

従って、海外投資のトラブル対策として、大口投資家でない方や英語が苦手な方は「日本国内の証券会社を使うしかない」という事になります。

確かに2重に手数料が必要になったり、商品が限られていたり、というデメリットもあります。

しかし、国内の証券会社で、特に名の通ったネット証券を使う限りでは、英語は不要ですし、深刻なトラブルが発生するリスクもほぼ無いので、安心です。

資産運用で大事な事は、利回りの高さや金融商品の豊富さだけではありません。『安心して投資できる事』です。

株式の値下がりなら仕方ありませんが、関係ないトラブルで資産を失ってしまうことは、本当にもったいないです。

当方の個人的な見解としては、基本的には、海外投資にはトラブルのリスクがあることを理解し、ネイティブな英語を話すオペレーターと、口頭で交渉(場合によっては喧嘩)がをする覚悟のある人だけが、海外口座を開く資格があると思います。

当事務所では、書面を通じ、海外投資のトラブルを解決してきた実績が多数ございますので、海外投資のトラブルでお困りの方は、まずはお問い合わせください。

(※相談は完全予約制です。電話、来所ともに5500円/30分です)