シンガポールの相続手続きのパターン
一言で「シンガポールの相続手続き」といっても、これには様々なパターンがあります。
例えば以下のようなケースが典型例です。
①シンガポール在住のシンガポール人がシンガポールでシンガポールの財産(銀行預金や不動産)を残して亡くなった
②シンガポール在住の日本人がシンガポールの財産(銀行預金や不動産)を残して亡くなった
③日本在住の日本人がシンガポールの財産(銀行預金や不動産)を残して亡くなった
上記のうち、①については、多くの場合、遺言を残し、遺言執行を弁護士に託していることが一般的であるため、死亡後はシンガポールの弁護士が財産処理を行うことが多いといえます。
しかし、②や③、とくに③日本在住の日本人がシンガポールの財産を残して亡くなった場合、その相続財産の処理についてはやや複雑な問題が発生します。
シンガポールの財産についてはどの国の法律が適用されるのか
まずこのような国際相続が生じた場合、どの国の法律が適用されるか、という疑問があります。
この点については日本の法律によれば、基本的に、
①誰が相続人となるか(例えば相続人は親なのか兄弟なのか子なのかという問題)や相続分はどうなるか(例えば配偶者が2分の1を取得するのかという問題)は、被相続人(つまり、亡くなった方)の本国法が適用されます。
したがって、③日本在住の日本人がシンガポールの財産(銀行預金や不動産)を残して亡くなった場合、日本側としては、相続人や相続分の問題は日本法が適用されます。
(※シンガポールではドミサイルのある地の法律が適用されることになるので、日本人がシンガポール永住者でシンガポールに長期間住んでいる場合等は、シンガポール法が適用されることもあります)
シンガポールの財産の処理はどうなるのか
一方で、相続財産処理は、シンガポールの手続きにのっとって行わないと、相続財産の回収ができませんので、シンガポールの手続きに従い、相続財産処理が行われます。
このため、上記のような場合は、相続人や相続分といった実態面は日本法(場合によりシンガポール法)、手続きはシンガポールの手続きで相続財産の処理がなされます。
したがって、上記のような場合は、シンガポールの弁護士を選任し、裁判所を通じて相続財産管理人を選任し、この相続財産管理人を通じて日本法に従って遺産を分配することになるのが原則形態となります。
シンガポールの相続で日本側で必要な手続き
では、シンガポールの相続で日本側で必要な手続きはどのようなものがあるでしょうか?
一般に、戸籍謄本、除籍謄本、原戸籍謄本の翻訳、公証、宣誓供述書(AFFIDAVIT)の作成、公証、その他シンガポール大使館、領事館での領事認証等が必要です。
ただし、シンガポールは2021年9月以降ハーグ条約に批准しますので、アポスティーユで足り、シンガポール大使館、領事館での領事認証は不要となるかもしれません。
その他重要なものとして、「日本法に基づく弁護士の法律意見書」が必要となります。
ではなぜ、このようなものが必要なのでしょうか?
シンガポールの弁護士が相続財産管理人となる場合、日本の相続法に詳しくないのが通常ですし、シンガポールの裁判所も確実な相続人や相続分確定が必要です。
そこで、シンガポールの相続財産について日本法に従った分配を行うためには、分配の仕方について日本法がどのように定めているかについての確実な証拠として、日本の弁護士による法律意見書が必要となります。
シンガポールの相続手続きについての問題点
日本人目線から見て、シンガポールの相続手続きについて何が問題かといえば、「相続手続きに時間と費用がかかりすぎる」ということにつきます。
日本では銀行預金の相続の場合、もめごとがなければ実印や印鑑証明書や簡単な所定のフォームのみで相続財産の引き出しができるのが原則です。
しかし、シンガポールの場合、原則として弁護士を選任し、裁判手続きを終え、裁判所の発行した執行状(Letter of Administration)により銀行預金の処分の執行がされてはじめてシンガポールの財産を日本に送金できるようになるため、非常に時間と費用がかかります。
ですので、シンガポールの相続を行う場合は、長期戦を覚悟のうえ、手続きを行っていく必要があります。
当事務所のシンガポール相続手続きサービスの費用・報酬
ただ、実際のところ、シンガポールの弁護士なんて知らないし、シンガポールの相続手続きを過去にやったことがある人はまれでしょう。
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※シンガポールの弁護士の費用は別途となります。個別のケースにより異なりますので、ヒアリング後、お見積りいたします。
ⅲシンガポール簡易プロベート手続きサポート:¥220,000
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連絡先
シンガポールの銀行口座相続・シンガポール不動産相続担当窓口
TEL:06-6375-2313
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