日本では海外小切手の換金トラブルが多発している

海外小切手は、日本ではあまり使う人がいないため、なじみがありません。

しかし、アメリカでは小切手での支払いが広く行われています。

外国払小切手(クリーンビル)は、振出人の正確な情報を得ることが困難な取引であることが特徴です。

そして、近時、海外小切手の換金トラブルが日本で多発しているようです。

例えばこんなケースです。

父が10年前にアメリカで駐在員をしていたときにカリフォルニア州のBank of America に預金口座を開け、現在、約5万ドルの残高があります。

この口座を解約したのですが、解約後円建てでは小切手は発行してくれず、資金が小切手で送られてきました。

そこで、近所のりそな銀行や三井住友銀行に行ってみましたが、換金はできないとのことでした。

以前は多くの銀行でアメリカの小切手等、海外小切手の換金を行っていたようですが、最近は大手銀行ですらドル建ての小切手の換金をしなくなったようで困っています。

小切手は換金できなければただの紙切れですし、何とか換金できる方策はないものでしょうか。

日本の大手銀行の海外小切手の換金取り扱い状況

まず、現在までの大手銀行の海外小切手の換金取り扱い状況としては、以下のような感じです。

1.三井住友銀行:2018年7月に停止

2.みずほ銀行:2018年12月に停止

3.三菱UFJ銀行:2019年5月に停止

4.りそな銀行:取り扱いなし

5.ゆうちょ銀行:取り扱いなし

上記の通り、邦銀大手は2019年5月に最後の砦であった三菱UFJ銀行の海外小切手の取り扱い停止をもって全滅状態です。かなり絶望感がありますね。

この理由としては、日本の銀行が海外の振出人の情報を得ることは難しいため、外国払小切手(クリーンビル)は、振出人の正確な情報を得ることが困難な取引であることが大きいと思われます。

さらに日本の銀行では、外国払小切手(クリーンビル)の偽造・変造リスクや関連法規制の遵守に関する対応等もあり、取り立てコストに見合わないと判断したようです。

海外小切手の換金取り扱いのある銀行は?

でも、ご安心下さい。旧シティバンクは今も元気です。

現在、旧シティバンクはSMBC信託銀行にリテール部門を買収され、「SMBC信託銀行プレスティア」という名前の銀行になっています。

2020年1月現在、SMBC信託銀行プレスティアにでは、銀行口座の保有者に限り、米ドル建て小切手での換金が可能です。(https://www.smbctb.co.jp/)

ただし、SMBC信託銀行プレスティアでも、マネーロンダリング規制があるのは他行と同じであり、小切手の換金には審査がありますので、海外小切手さえあれば必ず換金できるわけではありません。

今回のような本人から本人の口座への送金の手段としての海外小切手の入金であればまだやりやすいほうですが、第三者名義で海外小切手が振り出された場合、マネーロンダリングでないかを厳しくチェックされます。

このようなことから、小切手の換金がスムーズにいくようにするためには、小切手の発行目的や経緯をしっかり説明できる必要があります。

当事務所のサポート

ただ、そうはいっても、初めて海外小切手を換金する場合、何をどうしたらいいかわからず、困ってしまうことが通常です。

そこで、当事務所では、海外小切手の換金をサポートいたします。

アメリカの小切手の換金など、海外小切手の換金トラブルでお困りの方は、一人で悩まず、どうぞお気軽にご相談ください。

相談費用:1万円+税/60分(※電話相談・来所相談可能・相談予約制)